

◎ 南ドイツBaden-Württemberg州
州都はシュトゥットガルト。国際列車も発着する中央駅は、行き止り式から効率良い通過式に変える為、大きな穴を掘って何年も前から改修中、囲われた臨時通路が渡されています。完成は未だ未だ先、将来はどんな駅になるのか楽しみですが、スムーズな乗換が出来なくなるのは困りますね。
この地方はワイン生産も盛ん、駅からも斜面のワイン畑が見えます。地域で飲み干してしまうという程消費も多く、一方中堅ビール醸造所やマイクロブルワリーもあります。
Brauhaus Schönbuch Stuttgart
中央駅の出口迄は、工事現場を抜けて徒歩15分程度。『Bolzstraße 10』にテラス席200、店内320席の客席が用意されています。
ビールはピルスナー等の下面醗酵が3種、上面発酵無濾過のヴァイツエンが1種。グラスは0.3Lと0.5L。地元シュヴァーベン料理も提供。御得なランチタイムは17時迄(祝日以外)、おつまみを採ってビールだけという方もいます。
他に2店舗、ベーブリンゲンでは醸造所もあり、カルフは店舗のみ。シュトゥットガルトの店舗は明るく都会的で、洗練されています。
Badische Stattsbrauerei Rothaus シュヴァルツバルトの森
この地方はワイン生産も盛んな地域。ボーデン湖周辺は温暖で、バーデンワインはドイツ第3の生産地です。ドイツ人には人気のあるボーデン湖ですが、アクセスの関係か日本人観光客はそれ程多くないようです。
そんな地域で愛される地ビールとは、シュヴァルツバルトから湧き出る豊かな水で仕込まれる中規模の醸造所、州立のロートハウス。
◎ Östreich(オーストリア)
ゲッサー(Gösser Märzen & vom Fass )
オーストリアで最も愛飲されているというゲッサービール。地ビールとも言えますが、全国区のビール会社。シュイヤーマルク州のグラーツからムール川60㎞程上流の町レオーベンが本拠地。
ゲッサーをはじめオーストリアの量産ビールは、安定した生産の為にブラウ・ウニオンの一員。地元の麦を使う等の各社独自性は保たれつつも、2003年からは進出してきたオランダの巨人ハイネケンのグループ傘下となっています。
下面発酵ホッピー香のビールは、ゲッサー出荷量の7割だそうです。濃い色の多いメルツェンでも、ゲッサーは淡い黄色です。
瓶ビールとは別に、ちょっとしたレストランでは生ビール(vom Fass)も用意されています。
グラーツはオーストリア第二の都市というものの、小規模な町。観光の目玉はムール川の対岸、丘の上(Schlossberg)に立つ時計台。そこから見下ろせる市内はイタリア風で、通りにゲッサー直営レストランがあります。
ゲッサー・ナトゥーァ・ラドラー(Gösser Natur Radler)
ゲッサー・ラドラーは、アルコール2%。ビール40%にレモンジュースが60%の比率。レシピは、ブルワリー毎に異なります。ラドラーは当初サイクリストの為に造られたビール飲料と聞いた事が有ります。ドイツ語圏ではポピュラーで、低アルコールビールのジャンル。
売店で購入、滞在先ホテルの冷蔵庫に入れておきました。飲食店でいただくよりはエコノミー。飲み味すっきりで、ビールテイストのアルコール飲料。ビールはちょっと苦手という方も、試してみては如何でしょう。
マルクトブラウエライ/リンツァー・ビーアマヌファクトゥア
(Marktbrauerei/Linzer Biermanufaktur)
オーストリアの中では比較的大きな街リンツ。ドナウの対岸にあるリンツ城址はゆったりと行き交う船舶が眺められ、往時の繁栄を想像させてくれます。現在は歴史博物館としての役目を果たしています。
マルクトブラウエライはリンツ駅から1.6km程離れ、小さな店舗が並ぶ公園(マルクトプラッツ)の一画にあるビールスタンド(現在、コロナ終息迄閉店の模様)。
シンプルな店舗に反して質の高い自家製ビールを提供、時機によって生ビールの種類は変わる様です。
ムーラウアー・メルツェン(Murauer Märzen)
レオーベンからムール川を90㎞上流に向かうと、山間に少し開けたムーラウという小さな町があります。ここにあるのが1495年からの歴史を刻む Brauerei
Murau。
『ムーラウアーはいけるぞと』と知人から教えてもらった地ビールです。
ビールをはじめとする総合ドリンクメーカーで、2011年から小麦ビールもリリース。
未だヴァイスビールは未体験、生産の9割を占めるというメルツェンを紹介。
山間の水から仕込まれる為か清涼感あり、焙煎の関係か麦の違いか、ゲッサー・メルツェンよりやや濃い色で、味わいは好ましく感じます。
グラーツの街を流れるドナウ支流ムール川は、オーストリアの屋根という東アルプスのホーエ・タウエルン山脈が源。オーストリア最高峰グロース・グルックナー(3798m)はこの山脈にあり、広大な国立公園にもなっています。
Kaiser カイザー
オーストリア・アルプスのヒュッテでは、結構リーズナブルに飲食が出来ます。街ではゲッサーと共にポピュラーなカイザービール(ピルス)も、難所を過ぎたヒュッテでいただくと、水分の抜けた体には良く染み込みます。
今まで飲んだカイザーでは、ロケーションが良いせいか一番おいしく感じました。カイザーは1447年創業で嘗てはオーストリア皇帝御用達銘柄。現在はBrau
Union Österreich傘下。
Edelweiss-Weizen エーデルヴァイス・ヴァィツェン)
ホフ・ブロイといえば、ザルツブルク近郊カルテンハウゼンの歴史ある醸造所。ラベルを見るとブラウ・ユニオン・リンツとなっています。その辺の細かい事情は判りませんが、いずれにしてもオーストリア・アルプスの水で仕込まれた銘柄エーデルヴァイスは、人気ビールの一つという事です。ドイツ市場の影響をうけ、1986年頃からヴァイツェンが販売されたと聞きました。
思いっきり汗をかいた後の帰路、ヒュッテで休憩。普段ですと500mlの瓶をビール単体であけるというのは、管理人にとって少々きついですが、この日ばかりは快晴のハイキング後なので、グイッと入ってしまいました。
ヴァィツェンとしてはやや淡い濁り。泡立ち良くスッキリした呑み心地。ほてった体とカラカラの喉には涼冷な一時となりました。
Wurmhöringer Privatbrauerei Märzen/Altheim
イン河はドナウ支流で、スイスから流れ出て北チロルのインスブルックを通り、後半部はドイツとの国境線をなしてドナウに合流します。この川沿いには幾つもの町が点在します。
アルトハイムもその中の一つ、小規模ブルワリーのヴルムヘーリンガーはそこにあります。
オーストリアの主要な中小ブルワリーは、ブラウ・ウニオン傘下という所が現状です。今のところ此方は、独立した家族経営の状況です。
ヴルムヘーリンガー・メルツェンは、地元の麦を使ったローカルビールです。しかし酒屋さんでも見かける類なので、生産量はそこそこあるようです。
これといった個性を感じないビールで、くどくなくアクも無く、さらりとして、ニュートラルという個性なのかもしれません。
テレジーンブロイ(Theresienbäu)インスブルック
山岳地チロル地方の中心地インスブルックは、イン川の背後に山がそびえ、冬季オリンピック開催地で知られています。テレジーンブロイは、当地の歴史あるマクロブルワリーで駅から徒歩10分以内、マリア・テレジーン通りに面し、名所の黄金の小屋根(Goldens
Dachl)訪問前後に立ち寄れる距離です。
訪問日は三種のビールが提供されました。週末以外はチロリアン料理のランチもあります。ビールの友程度の軽めな#1と、食事といえる#2。
Pinzgau Bräu Zwickl Bier ピンツガウ・ブロイ
美しく澄んだ湖のあるオーストリアの保養地 Zell am See 。この隣町 Bruck に2015年創業新興のマイクロブルワリーがあります。山間のため水に恵まれ、グループ化したブラウユニオンのにない個性的なビールを生産しています。酒屋さんの評価もまずまずです。
Zwickl(Keller)ビールは無濾過、他でもいただいた経験がありますが、これはかなり苦みの強いビールで、少し甘みもある経験したことのない味わい。
新興の小規模な醸造所はいずれも個性的、商品名は同じでも味わいは全く異なる事もあります。対して地ビールが盛んな地域では共通点も感じますので、また面白い部分でもあります。
ピンツガウ・ブロイではピルスナーはやっていない様で、ヴァイツェン、ダークヴァイツェン(未経験)、フェニックス(赤)ビール、ペール・エール、ツヴィックル、ノンアルコールの6種を出荷しています。
〒208-0013
東京都武蔵村山市大南3-134-15
TEL.042-563-8967